子育て世代の車選び① ~ミニバンの基礎編~
はじめに
皆さんは車がお好きでしょうか?私は子供の頃から大好きで、車の雑誌やカタログなど本当にずーっと見ていられます。最近は車離れと言われており、若い世代の皆さんはあまり興味が無いかもしれませんが、私と同世代(40代)の男性は、車に全く興味がない人の方が少ないのではないでしょうか?また、女性の方でも車が好きな方は多くいらっしゃいますし、私が住んでいるような地方ですと、大人一人に対して1台が当たり前で、それぞれが好みの車に乗っていると思います。
さて、そんな多くの車好きの頭を悩ませる問題が、子育て世代での車選びだと考えます。
すなわち「子供を乗せるなら、ミニバンにすべきか?」という問題です。
もちろん自分の希望する車種が「ミニバン」であれば、何も問題ないのですが、車はデザインが大切で、できれば全高が低くスポーティな感じで、運転が楽しい車が理想だな。。。なんて人にとっては、いわゆるミニバンは、あまり購買意欲をそそりません。しかしながら、子育て世代であれば、家族のことを考えない訳にはいかず。。。悩みますよね?
また、車にあまり興味がない、詳しくない方にとっては、
「どんな種類があって、どんな車を買ったら良いのか分からない。」
「車以外にも色々お金がかかるので、なるべく予算をかけたく無いけど、安い車ってないのかな?」
などなど、やはり、悩みが尽きないかと思います。
そんな難しい子育て世代の車選びに、少しでもお役に立てればと考えて、文章を書いております。尚、私は自動車業界の関係者ではありません。車好きな、ミニバン歴15年の、妻子有り(子供は3人)の、パパとしての目線での文章となります。
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そう、私は「ミニバン」を選びました。本当はセダンが欲しかったのですが、悩みに悩んだ末に、ミニバンに決めました。そして現在は、2台目のミニバンを愛車としており、その選択にほぼ満足しております。しかし、実は1台目のミニバンを購入してすぐに後悔がありました。
そんな後悔や悩みの結果、分かったことは、
「自分に適した車を、納得したうえで、愛車にすると良い」
という、非常に当たり前のことでした。
つまり15年前の私は、車好きを自負していたにも係わらず、自分に最適な車選びも、納得したうえでの購入も、出来ませんでした。お恥ずかしい限りです。。。
私がなぜ、当たり前のことが出来なかったのか?主な理由は3つです。
■ミニバンに対する知識が不足していた
→ミニバン以外の車が好きだったから
■ミニバン以外の選択肢は無いと決めつけた
→子供がいればミニバンが当然と思ったから
■あわてて購入を決めてしまった
→値引きにつられてしまったから
現在、愛車をご検討中の皆さんは、ぜひこんな失敗がない、楽しい車選びをして頂き、素敵な愛車を手に入れて頂きたいと思います。
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さて、前振りが長くなりましたが、そんな失敗を踏まえた上で、それでもやはり多くの子育て世代におすすめ出来る車の種類は「ミニバン」であるとの考えに至りました。しかし、全てのご家族にミニバンが適している訳ではありません。
そこで今回「ミニバンの基礎編」と題し、具体的な車種名はあげずに、車の種類の一つとして「ミニバン」の説明・魅力・問題点などをまとめました。ミニバン以外のタイプが適しているかもしれない具体例もピックアップしてあります。
皆さんの車選びの判断材料の一つとして、また、もしかしたらご夫婦・ご家族内で意見が分かれている場合の説得材料の一つとして、ご活用ください。(下記項目の1及び2は、車に詳しくないかた向けに用意致しました。)
ご家族にとって、よき愛車が決まるお手伝いになれば幸いです。
それでは、下記の目次に続きまして、本編スタート致します。
※かなり長文となっておりますので、お時間のある時にお読み下さい。
目次
1、ミニバンってなに?
2、ミニバン以外の種類は?
3、ミニバン以外のタイプが適しているかもしれない具体例
4、ミニバンの魅力 ~トップ5~
5、ミニバンの問題点 ~ワースト5~
6、問題点の解消法と考え方
7、まとめ
1、ミニバンってなに?
まずは、自動車に詳しくないかた、あまり興味がなかったかたの為に、ミニバンについて簡単にご説明致します。「ミニバン」とは、車の種類・タイプの一つです。
一番の特徴は、多人数が乗れる車であるという事です。ここで言う、多人数とは、乗車定員6人以上を指し、車のシートが3列になっているのが一般的です。(一部の車種では、あえて3列目をシートとせずに、乗車定員を減らし、荷物をより多く積めるようにしたミニバンもあります。)
その他の特徴と致しましては、荷物が多く積める・積みやすい。後席のドアがスライド式のドアであることが多い。そして一番重要な点は、商品としての主なターゲットが「子育て世代」であるため、まさに家族のための車に適していることになります。また、人が多く乗れて、荷物も積みやすいことから、キャンプなどアウトドアが趣味の方にも人気のタイプです。
おおよその形としては、マイクロバスをさらに小さくしたような、一つの箱のような見た目をしているものが多く、この形状を指して1BOX(ワンボックス)とも表現します。ただし、デザインはそれぞれの車ごとに工夫されておりますので、マイクロバスより断然カッコいいと思います。
さて、ここまでの説明でおおよそご理解いただけたかと思いますが、おそらく1点疑問が浮かんでいるのではないでしょうか?そうです。なぜ「ミニ」なのか?という点です。多人数乗れるって事は、大きい車のハズなのに。。。
「ミニ」の理由は、そもそもミニバンというのは、アメリカでの表現で、アメリカサイズの大きな「バン」に対して、コンパクトなバンを「ミニバン」と呼ぶようになった為です。ちなみにアメリカサイズの大きなバンは、日本の一般的な駐車場の枠線に入り切りません。。。
まとめますと、「ミニバンとは、多人数(おおむね6人~8人)が乗れ、荷物も積めて、スライドドアが一般的な、子育て世代に適した車」であると考えられます。
2、ミニバン以外の種類は?
ミニバン以外にどの様な種類・タイプがあり、それぞれどんな特徴があるのかをまとめてみました。
~ミニバン以外の主な種類・タイプ~
・コンパクト
・セダン
・ワゴン
・SUV
・スポーツ
・軽自動車
と、いったところがあります。
それぞれの種類・タイプを、簡単にご説明致します。
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「コンパクト」
こちらは分かりやすく、小さ目の車のことですね。乗車定員で言うと、5人乗りの車がほとんどです。ちなみに3列シートを持たない、普通車のほとんどが5人乗りまでですので、非常に効率の良いパッケージングといえます。ただし、やはり車内は大人5人では狭いと感じる車種がほとんどです。しかし、コンパクトカーの中でも、背の高い車種もあり、この手のタイプは車内の天井も高いため、非常に広々した車内であります。その他の特徴は、比較的軽量の車が多く、燃費が良く、タイヤなどの消耗品もサイズが小さく安い為に、メンテナンス費用が安くすむ点も魅力的です。
「セダン」
こちらのタイプは、形が特徴的で、昔からあるタクシーの形(背の高いタイプではなく、低いタイプ)の車です。つまり、車の前側にエンジンルームがあり、車の真ん中部分が人が乗るキャビンスペースで、後側が荷物を入れるトランクルームという形で、もっとも基本的な車の形と言えます。この形のおかげで、車の前後から衝突があっても、人が乗るスペースが守られる為に、安全性が高いのも特徴の一つです。また、各自動車メーカーごとの、フラッグシップモデル(一番高くて、力を入れて開発されている車)もセダンタイプが多く、車の基本的な性能(走る・止まる・曲がる・乗り心地・安全性など)のすべてを、バランスよく持っているタイプであります。
「ワゴン」
こちらは、セダンのトランクルーム部分を、人が乗るキャビンスペースと一体にした形の車になります。この為、セダンと比べて、荷物を多く積め、大きなものも積みやすいのが最大の特徴です。以前は、ワゴンといえば背の低い車(ステーションワゴンと表現します)が一般的でありましたが、今は背の高いタイプ(トールワゴン)も多くあります。
「SUV」
こちらは、Sport Utility Vehicle(スポーツ・ユーティリティ・ビークル)の頭文字をとったもので、日本語では「多目的スポーツ車」などと訳されております。車の最低地上高(地面から車体の一番低いところまでの距離)が高く、舗装されていないデコボコ道でも走れてしまう様な車を指します。舗装されていない道を走破するのが得意な車(クロスカントリー・オフロード車)や、舗装されていない道も走れそうだけど、高級過ぎてもったいない車、小さな車から大きな車まで幅広くラインナップがあります。
「スポーツ」
こちらは、速く走ることを主目的とした車になります。この為、居住性や積載性が悪く、燃費も悪いのが一般的です。しかし、デザインに優れた車が多く、単純に早く走るだけでなく、運転の楽しさや、車を所有する喜びを強く感じられる車でもあります。オープンカーの多くも、こちらのタイプに含まれます。
「軽自動車」
こちらは、日本独自のタイプになります。車の大きさと、エンジンの排気量に明確な規定があり、その大きさ以内でないと軽自動車と認められません。乗車定員は4名までとなっております。この為、軽自動車の最大の特徴は、小さいことになります。小さい為に、小回りがきき、運転がしやすいのですが、背の高いタイプは信じられないくらいに室内空間が広く作られており、コンパクトカー以上に効率の良いパッケージングかもしれません。また、税金や保険料も安いため、維持費を安くすることを最優先に考えますと、軽自動車が一番になります。
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車のタイプ・種類は、上記以外にも、クーペやハッチバックなど色々なものがあります。また、タイプ・種類は便宜上での分け方であり、明確に分類出来ない車も多数あります。この為、ざっくりと「こんな感じのタイプ・種類があるんだなー」くらいにご理解頂ければ十分だと思います。
3、ミニバン以外のタイプが適しているかもしれない具体例
ミニバン以外のタイプの方が適している「かもしれない」例を、3パターン考えてみました。
ケース1
・家族構成が3~4人で、5人以上の乗車の必要が乏しく、車の使用頻度が少ない為、予算も抑えたい。
→ミニバンよりも予算が抑えられる、コンパクトor軽自動車がおすすめ。
ケース2
・家族構成が3~4人で、6人以上の乗車の必要が乏しく、1人で長距離の使用が多い。予算的には、ある程度高額でも大丈夫。
→ミニバンよりも走行性能が高い、セダンorワゴンがおすすめ。
ケース3
・家族構成が3〜4人で、6人以上の乗車の必要が乏しく、キャンプやスキー、サーフィンなどのアウトドアの趣味で使用する。
→ミニバンよりも趣味性の高い、ワゴンor SUVがおすすめ。
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いかがでしょうか?こちらのようなケースですと、ミニバン以外のタイプも非常に魅力的になります。それぞれのご家族で「何を優先と考えるのか?」で、選ぶ愛車は違ってきますので、もちろん一概には言えませんが、ミニバン以外のタイプも検討してみると、より良い愛車選びにつながると思います。(私は、これが出来ていませんでした。。。)
しかしながら、今回のようなケースでも、やはりミニバンは最有力な候補であると、個人的には思っております。そこで次の章では、ミニバンの魅力をたっぷりと、アピールしてみたいと思います。
4、ミニバンの魅力 ~トップ5~
(1)多人数の乗車に適している
ミニバンの乗車定員は、おおむね6~8名。一般的な他のタイプの車は5名までしか乗れませんので、お子様が多いご家庭や、二世帯・三世帯でお住いのご家庭、また同居はされていなくとも、パパさん・ママさんのご両親と頻繁にお出かけする機会の多いご家族には、ミニバンは本当に魅力的です。家族みんなでの、外食やお買い物、旅行などのお出かけをイメージして頂くと分かり易いかと思います。仮に、お子様2名・祖父母との6人家族として、ミニバン無しでのお出かけは、2台の車に分乗するか、誰かがお留守番するかになってしまいますよね。みんなでワイワイと楽しくお出かけする機会が多ければ多いほど、ミニバンを購入した際の満足度は高まります。
また、仮に大人5名での乗車を考えた際に、乗車定員5名の一般的な車ですと、後ろ席に3名が並んで座ることになります。こちら実際に座ったことがある方にはご理解頂けると思いますが、真ん中の座席に座る人は、体を固定させることが難しく、隣の人と文字通りに、肩を触れ合いながらの移動となり、若干窮屈かと思います。しかし、3列目までシートのあるミニバンであれば、前から2名・2名・1名と座ることも出来ますので、より快適な移動を楽しめます。
さらに、小さなお子様がいる場合に必要なチャイルドシートは、大人一人分よりもスペースを必要としてしまうものが多く、特に新生児向けのフラットになるタイプは、ほぼ2名分のシートスペースが必要となるため、3名がけのシートに、赤ちゃん+大人1名でいっぱいとなってしまいます。この為、一般的な車ですと赤ちゃんを含めまして、4名までの乗車となってしまいますが、3列目まであるミニバンであれば、車種にもよりますが、プラス2名もしくは3名の乗車も可能です。
ミニバンは多くの人を乗せる機会が多ければ多いほど魅力的な車です。
(2)多彩なシートアレンジ
色々なシートアレンジが可能なのもまた、ミニバンの魅力の一つです。メーカー・車種によって違いはありますが、どの車もそれぞれに使いやすさを、座り心地などとの両立を含めて、良く工夫されています。
例をあげてみますと、
■1・2列目もしくは、2・3列目がほぼ平らな状態(フルフラット)にすることが出来、車中泊にも十分に対応できるアレンジ。
■2列目席が左右に分割されており(キャプテンシート)、3列目を使用しない場合に、2列目席を大きく後ろに下げて、しっかりと足を伸ばして座れるアレンジ。
■逆に助手席側の2列目席を前側にスライドさせて、運転席と近づけることも出来るアレンジ。
などなど、車種ごとに色々なシートアレンジが楽しめます。
普段は使わないようなシートアレンジもあると思いますが、いつもと違う位置にシートを動かして使用すると、子供の目にはかなり新鮮に見えるらしく、4歳~9歳くらいのお子様なら、ワクワクしてかなり楽しんでくれると思います。
また、自在なシートアレンジと高い天井のおかげで、赤ちゃんのおむつ替えはもちろん、お子様の着替えなども非常に楽に行える車種が多いのも魅力的です。
ただし、注意点と致しましては、全ての車種で全てのアレンジが可能なわけでは無いので、ご家族で必要な機能・性能をよく考えて愛車を決定して頂ければと思います。また、シートアレンジによっては、走行中に使用するには適さないアレンジもありますので、安全に考慮したうえで、適切に使用して頂きたいと思います。
(3)スライドドア
ほとんどのミニバンの後席ドアに使われているのが、スライドドアです。ちなみにミニバンと言えども、前席ドアはヒンジ式のドアになります。スライドドアとヒンジ式ドアの違いは、住宅でいうところの、「引き戸(和室のふすまのようにスライドさせるタイプ)」と「開き戸(ドア部分がスイングするタイプ」です。
スライド式とヒンジ式、どちらも長所・短所がありますが、スライドドア(引き戸)の一番の長所は、「開けっ放しに適している」という事です。住宅で考えて頂くと、和室のふすまを開けておくと出入りが楽で、窓を開けて空気の入れ替えをしたい時なども特に気を使うことなく、開けっ放しが可能ですよね?しかし、一般的な個室のドア(開き戸)は、出入り時に若干ではありますが、ドア部分が邪魔になり、空気の入れ替え時などは、ドアストッパーなどで固定をしておかないと、窓から入ってきた風で勝手に閉まってしまいます。
これを車の後席でイメージして頂きますと、スライドドアであれば、「開けっ放し」で多人数のスムーズな乗り降りができますが、ヒンジ式ドアで多人数の乗り降り時には、風などで急にドアが閉まってしまわない様に、誰かがドアを抑えている必要があります。また、ヒンジ式ドアを「開けっ放し」にするためには、駐車した車の横方向に十分なスペースが必要です。広い駐車場であれば問題ありませんが、残念ながら日本の多くの駐車場が、隣に車が停まっている状態で、ヒンジ式ドアを全開に開けることは難しいですよね。。。
また、スライドドア車の多くで電動タイプのドアが選べるようになっており、開閉も楽々です。電動ドアの開閉は、スライドドアのドアノブ(スイッチ)・運転席スイッチ・車のカギでも操作できる車が多く、状況にあわせて便利にご使用いただけます。また、一部の車では、スライドドアの下に足をかざすと、自動でドアが開く機能などもあります。乗り降りの際だけでなく、荷物を載せたい場合も非常に使い勝手が良いですね。
そして、子育て世代に重要な車の機能の一つに、子供が車内から勝手にドアを開けない様にする「チャイルドロック機能」があります。この機能はご存じ無い方もいらっしゃるかもしれませんが、スライド式・ヒンジ式どちらのタイプの後席ドアにもついております。使い方は非常に簡単で、ドア部分(ドアを閉じると隠れる部分)にある、小さなレバーで切り替えるだけで、車内側からドアを開けることが出来なくなります。これはいわゆる「ドアロック」(車に鍵をかけた状態)とは違い、車外側からは普通にドアを開けることが出来ます。子供の安全の為に、非常に有効な機能なのですが、ちょっと使いづらい点があり、大人が外に出たい時も車内側からはドアが開けられ無い為に、車外側からドアを開けて貰う必要があります。毎回運転席から降りて、後席のドアを開けに行くのは。。。面倒ですよね?しかし、これが電動式のスライドドア車であれば、運転席に座ったままでドアを開くことが出来ますので、非常に便利です。
(4)後席の冷暖房
多人数乗車することを前提に作られたミニバンは、2・3列目席の冷暖房もしっかりと考えられた車種が多くあります。特に車体の大きい車種は、2列目はもちろん、3列目にもエアコンの吹き出し口があり、3列目まで快適な温度で過ごすことが出来ます。もちろん、ミニバン以外のタイプの車でも、2列目席にエアコンの吹き出し口があるタイプもありますが、意外と2列目席には吹き出し口が無いタイプが多いのも事実です。
また、運転席・助手席・後席の3つの場所の温度設定を別々に行える車種もあります。こちらは夏場の暑い時期に長距離を多人数で移動する際などに便利な機能です。使用例と致しましては、運転席は暑がりのパパさんの為に低めに温度設定し、助手席側は寒がりのママさんの為に少し高めの温度設定を、そして後席は寝てしまったお子様の為にさらに高めの温度設定に。。。と、いった具合に使用出来ます。
(5)荷物の積みやすさ
多くの荷物や、大きなものを運びたい時にも、ミニバンは大活躍です。3列目のシートを収納して荷室部分を広く出来る車種がほとんどで、さらに2列目のシートを収納もしくは前側にスライドさせると、かなり大きな荷物も積めてしまいます。
また、3列目のシートを収納しない状態(3列目まで乗車した状態)での荷室部分も、可能な限り荷物を載せられる様な工夫がされており、特に大きめの床下収納が装備されている車種は、非常に荷物が積みやすいと感じます。ただし、残念ながらやはり小さ目なミニバンは、3列目のシートを収納しない状態ですと、荷室部分の容量に不満があるかもしれませんので注意が必要です。
また、シートアレンジの説明でも触れましたが、全ての車種で同じ様なシート機能ではありません。特に3列目のシートの収納方法に違いがあり、たたんで左右にはね上げるタイプ・前にパタンと倒すタイプ・後ろ側の床下部分に収納するタイプなどがあります。それぞれに長所・短所がありますので、購入前に実際に試して、使い勝手を確認しましょう。
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さて、ミニバンの魅力トップ5を、お伝えしましたが、いかがだったでしょうか?上記の5点以外にも、子供からお年寄りまで乗り降りが楽にできる工夫や、多人数乗車に適した快適な装備など、子育て世代にとってありがたい機能が満載です。ここまでお読み頂いて、「ああ、やっぱりミニバンが良いな」と思っていただけましたら、非常にうれしいのですが、愛車の決定はもう少しお待ち下さい。車も人と一緒で、長所があれば短所もあります。後悔のない愛車選びのためには、短所もご理解頂いた上で決めて頂くことが大切だと思うからです。そこで次章にて、ミニバンの短所・問題点についても、しっかりとアピールしてみたいと思います。
5、ミニバンの問題点 ~ワースト5~
(1)運転していてつまらない
多くの車好きなかたが、ミニバンを購入する際に、一番気になる問題点がこちらになると思います。そう、ミニバンは子育て世代にうってつけの車なのですが、運転そのものが楽しい種類・タイプの車とは、言いづらいのです。
ミニバンは多くの人を乗せるために、基本的に、背が高く(室内高を高くするため)・四角く(室内空間を広くするため)・重い(3列シートやスライドドアなど)車です。背が高いことで、重心が高くなるため、カーブでの傾きが大きくなったり、横風であおられやすくなります。四角い車体は、どうしても風の抵抗を受けやすいですし、重い車体は、スピードを出す加速の際も、ブレーキでの減速の際も不利になります。つまり、車の基本性能である、走る・止まる・曲がる・乗り心地・安全性において、非常に不利なデザイン+コンセプトをしているため、どうしてもセダンやワゴン、スポーツタイプの車と比べてしまうと、運転がつまらないと感じてしまう可能性が高いのです。
(2)車体が大きい
こちらも、多くの人を乗せるために、致し方ない部分ではありますが、やはり大きな車体は不利な部分があります。
まず、運転が苦手なかたや、不慣れなかたにとっては、見た目が大きいミニバンは運転がしにくいと感じてしまいます。実際には慣れてしまえば、むしろ車の四隅の感覚はつかみやすく、人によっては運転しやすいというかたも多いのですが、ミニバンの中でも特に大きな車種になりますと、狭い道や、混雑した駐車場では、かなり気を使います。
また、大きな車体は洗車も大変です。単純に大きいので、時間がかかりますし、背が高いため、屋根部分は脚立や踏み台がなければ手が届かず、手間もかかります。また、車内も広く、特にシートアレンジが豊富な車種だと、床にひいてあるマットの形が複雑で、外して・洗って・戻すのも面倒です。
(3)スライドドア
多くのミニバンが採用しており、非常に魅力的な装備である、スライドドアですが、こちらにもデメリットが存在します。
まず、ヒンジ式のドアと比べて、開閉に時間がかかります。こちら、子供を連れての乗り降りの際などは、気にならないレベルだと思いますが、荷物をサッと置いて、閉めて、あっ、もう一回、などという場合に、閉まるまで・開くまでの時間が、非常に長く感じられます。
次に、ヒンジ式と比べてドア自体が重い為、車の重さも増えてしまいます。電動化するとさらに重くなりますが、手動でのスライドドアの開閉は子供には大変です。この為、電動式のスライドドアを選択されるかたが多いと思いますが、その分、値段も高くなってしまいます。また、ヒンジ式と比べ、複雑な作りをしているため、どうしても故障する可能性が高くなります。故障とまでいかなくても、開閉時の異音や、きしみ音が気になってしまう場合もあるかもしれません。
そして、開口部が大きいために、乗り降りはしやすいのですが、車体の剛性(たわみにくさ・強さ)的には低くなりやすい形と言えます。もちろん売られている車は、必要にして十分な車体の剛性を確保されておりますが、構造的には非常に不利な形と言えます。
(4)乗り心地・車酔い
車の乗り心地の良い悪いは、個人の感覚の差が大きいことと、同条件(同じ、道路・気象条件・自分の体調など)での比較が難しいことから、一概には言えない部分があります。ですが、やはりミニバンは乗り心地では不利と考えられます。理由と致しましては、重心が高いため、前後左右の揺れや細かな振動などが、重心の低い車と比べて、大きくなりやすく、収まりづらいからです。舗装がきれいな道ならば良いのですが、多くの道では段差や、うねり、踏切など車が揺れる場所が多く存在しています。また、ミニバンの魅力でもある、豊富なシートアレンジも、乗り心地に悪い影響を与えている可能性があります。シートが自在に動かせるということは、しっかりと固定されていないとも言えるわけですし、アレンジを優先し過ぎてシートが薄く作られているかもしれず、ここにも乗り心地の低下の要素があります。
また、車酔いに関しても乗り心地と同様に、揺れの影響が大きいと考えられます。また、あわせて、3列目席の前方方向の視界の悪さも、酔いやすい一因と思います。昔から言われている、車の酔い止め対策に「進行方向を見る」がありますよね?やはり前方が見えづらい席は、酔いやすいと考えられます。
そしてこれはミニバンに限りませんが、「乗り心地が良い車=車酔いしない車」とは言い切れません。この辺が本当に難しいのですが、道路の段差を越える際に、ガン!と激しく揺れる感じの車と、ふわんとソフトに揺れる感じの車とでは、あきらかに「ガン!」の方が乗り心地が悪く感じます。しかし、「ふわん」の方が酔いやすい人も多く、うちの妻や子供達はまさに「ふわん」がダメな人たちです。
(5)燃費の悪さ
ミニバンには色々な車種があるため、燃費も車種によってまちまちですし、特に同一の車種でも、通常のガソリンエンジン車とハイブリッド車ではもちろんハイブリッド車の燃費は優れています。しかし、ミニバン以外の種類・タイプの車と比較してしまいますと、やはり重い車重と大きな車体による空気抵抗が、影響してしまい、その分の燃費悪化はさけられません。さらに、ミニバンの魅力でもある、後席の充実した冷暖房も、しっかりと使えば使うほど燃費を悪化させます。この為、ミニバンは基本的に燃費が悪いと言えてしまいます。
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さて、ミニバンの問題点ワースト5をお伝えしましたが、いかがだったでしょうか?ミニバンがあまり好きではないかたにはご納得頂けて、ミニバンのご購入を検討されているかたには不安を与えてしまう内容だったかもしれません。
しかし、これらの問題点を抱えていてもなおミニバンは、多くの子育て世代に最適な車の種類・タイプであると、私は考えております。そこで次章では、問題点の解消法・考え方をお伝え致します。
6、問題点の解消法と考え方
それでは私なりの、ミニバンの問題点に対する解消法・考え方をお伝え致します。
(1)運転していてつまらない
→子供と一緒に家族で出かけることに楽しみを見つける
→ミニバンの中でも比較的、運転の楽しい車種を選ぶ
(2)車体が大きい
→バックモニターや障害物センサーなどの装備品を有効利用する
→洗車が苦手・面倒なかたは、汚れが目立たない色を選び、ボデイのコーティングも検討する
(3)スライドドア
→デメリットを理解しつつ、便利さを有効に活用する
→スライドドアをあきらめて、ヒンジ式ドアのミニバンを検討する
(4)乗り心地・車酔い
→試乗を十分に行い、車酔いしにくく、乗り心地も納得いく車種を選ぶ
→ミニバンを運転する際は、丁寧な運転を心がけて、車の揺れを抑える
(5)燃費の悪さ
→多人数が乗れることを考慮して、車2台分の燃費と比較すれば、逆に燃費が良いと考えられる
→ムダな加速や減速を無くして、エコな運転を心がける
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以上、問題点の解消法・考え方をお伝えいたしましたが、いかがだったでしょうか?
これらの解消法で問題が無ければ、やはりミニバンがおすすめであります。
しかし、これらの方法で、問題が解決しないようであれば、ミニバン以外の車種をご検討頂いた方が良いかもしれません。
まとめ
さて、ミニバンについて全力でご説明させて頂きましたが、いかがだったでしょうか?
冒頭部分の繰り返しとなってしまいますが、
「自分に適した車を、納得したうえで、愛車にすると良い」
「多くの子育て世代におすすめ出来る車種はミニバンである」
という私の考えでお話しさせて頂きました。
一人一人、ご家族ごとに、最適な車は違いますので、私の説明はあくまでも参考に留めて頂き、ご自分に適した車を、しっかりと納得したうえで、愛車に出来ますよう、ご検討下さい。
それでは、最後にミニバンをもうひと押し(笑)。
ミニバンは一人で運転していて楽しい車では無いかもしれません。しかし、子供と一緒に家族でのお出かけや、気の合う仲間とのお出かけなど、車に乗る人数・機会が増えれば増えるほど、車で出かける楽しさが増していく車と言えるのではないでしょうか?子供と一緒に出掛けられる時間は、子供の成長と共に減ってしまいます。子供が親と一緒に出掛けたいと、強く思ってくれている期間にピッタリなのがミニバンであると思います。
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ここまでお読み頂いて、ありがとうございました。皆さんの愛車選びの参考に、少しでもなりましたら幸いです。また、もし個別で愛車選びの相談をご希望の方がいらっしゃいましたら、お問い合わせフォームよりご連絡下さい。無料です(笑)。
さて、次回の「子育て世代の車選び」では、ミニバンの種類について、紹介してみたいと思います。