子育て世代の車選び③ ~売れているミニバンとは?~

子育て世代の車選び、第3弾は「売れているミニバン・販売台数の多いミニバン」を紹介してみたいと思います。ミニバンの購入を検討されている皆さんにとって、どんなミニバンが人気があるのかは、とても気になる情報ですよね? 車において「売れている=人気がある 」とは、言い切れませんが、多くの人に選ばれている車には、非常に高い価値と魅力があると思います。

また、逆に「売れている車には乗りたくない」「できれば人とは違う車に乗りたい」という人にとっても、どんな車・ミニバンが売れているかは、重要な情報になると思います。

そこで今回は、まず「乗用車」(軽自動車と海外メーカーは除く)全体での販売台数Top20を見て頂き、全体的にどんな車が売れているのかを把握したうえで、ミニバン販売台数Top10を見つつ、売れているミニバンを説明・紹介して行きます。今回は、国産メーカーのみですので、あらかじめご了承ください。

それでは、下記の目次に続きまして、本編スタート致します。

目次

1、データの説明
2、売れている車 Top20
3、売れているミニバン Top10

4、売れているミニバンの分析
5、まとめ

1、データの説明

今回は、 2019年の1月~12月での、年間ランキングとしてデータをまとめました。月間や半年(半期)とせず、「年間」としたのには理由がありますので、少しご説明致します。

車は一年中売られており、いつでも買う事が出来ますが、よく売れる月と売れない月との差が大きいことが有名です。ちなみに、売れる月は3月で、売れない月は8月になります。また、モデルチェンジ(改良)の直後や、新しい車が開発・販売開始されてすぐは、よく売れるのが一般的です。そして、税金の制度が変わる場合も販売台数に影響が出やすくなります。消費税増税前の駆け込み需要や、増税後の反動での落ち込みがわかりやすい例ですね。

このためにデータの期間が短いと、色々な要因での差が出やすいと考えて、年間での集計とさせて頂きました。そして、今回のデータは、日本自動車販売協会連合会(略称 自販連)のホームページの資料をもとに、作成させて頂きました。

2、売れている車 Top20

それではまず、2019年の乗用車ブランド通称名別順位(軽自動車と海外メーカーを除いた車)のTop20をご覧ください。

販売台数は、 日本自動車販売協会連合会(略称 自販連)のホームページの資料をもとにして、 車のタイプ分けに関しては、各メーカーのホームページを参考にして分類致しました。ミニバンにはマーカーを引いてあります。



2019年 乗用車 販売台数 Top20
 (軽自動車と海外メーカーを除く)

順位車種名メーカー名タイプ販売台数
プリウストヨタセダン125,587
ノート日産コンパクト118,472
シエンタトヨタミニバン110,880
カローラトヨタセダンなど104,406
アクアトヨタコンパクト103,803
セレナ日産ミニバン92,956
ルーミートヨタコンパクト91,650
ヴォクシートヨタミニバン88,012
フリードホンダミニバン85,596
10ヴィッツトヨタコンパクト81,554
11タンクトヨタコンパクト74,518
12フィットホンダコンパクト74,410
13アルファードトヨタミニバン68,705
14ヴェゼルホンダSUV55,886
15C-HRトヨタSUV55,677
16RAV4トヨタSUV53,965
17ノアトヨタミニバン52,684
18ステップワゴンホンダミニバン52,676
19ソリオスズキコンパクト44,488
20インプレッサスバルワゴンなど43,780


乗用車の販売台数 Top20 いかがだったでしょうか?購入を検討中の車や、お気に入りの車はランクインしていましたでしょうか?

さて、結果をタイプ別で見ますと、Top20の中に、7台のミニバンがランクインしております。他のタイプでは、コンパクトも7台と多く、続いてSUVが3台セダン・ワゴンはかなり少数派ですね。

そして、メーカー別にみますと、20台中の12台がトヨタでした。次に多いのがホンダで4台。そして、日産が2台で、スズキとスバルが1台づつのランクインとなりました。トヨタの圧勝です。

車種別で見た時に、やはり目を引くのが、1位のプリウスですね。これだけ、ミニバンやコンパクトタイプが売れているなかで、別のタイプであるにもかかわらずの1位!凄いことだと思います。

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まとめますと、ミニバンとコンパクトが非常に売れていて、SUVも人気がある。中でもトヨタ車が多く選ばれており、プリウスは別格と考えられます。つまり、ミニバンは、「売れているタイプ」の車種であると言えますね。

さて、乗用車全体での売れている車について、傾向が見えてきました。この結果をふまえまして、次章でのミニバンのランキングをご覧ください。

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※プリウスは、個人的には「セダン」では無いと考えていますが、トヨタのホームページでは、セダンに分類されている為に、セダンとしております。

3、売れているミニバン Top10

いよいよミニバンのTop10の発表です。1位~7位のミニバンは、乗用車ランキングTop20入りしていましたので、残り3車種を加えて改めて見て行きましょう。こちらのデータも、 日本自動車販売協会連合会(略称 自販連)のホームページ の資料より作成させて頂きました 。種類分け(クラス分け)は、私の大好きな雑誌であります、「ミニバンのすべて」(モーターファン別冊・株式会社三栄)の2020年版を、参考にさせて頂きました。人気があるMクラスとメーカーごとに、マーカーを引いてみました。


2019年 ミニバン Top10  (軽自動車と海外メーカーを除く)

順位車種名メーカー名種類販売台数
シエンタトヨタSSクラス110,880
セレナ日産Mクラス92,956
ヴォクシートヨタMクラス88,012
フリードホンダSSクラス85,596
アルファードトヨタLLクラス68,705
ノアトヨタMクラス52,684
ステップワゴンホンダMクラス52,676
エスクァイアトヨタMクラス42,489
ヴェルファイアトヨタLLクラス36,649
10デリカD5三菱Mクラス20,085


さて結果ですが、1位はやはりトヨタ車で、SSクラスの「シエンタ」。2位がMクラスではトップになる、日産「セレナ」。3位はトヨタ「ヴォクシー」で、4位にはホンダ「フリード」が入りました。5位がLLクラスではトップとなるトヨタ「アルファード」です。

ミニバンを検討しているかたにとって、よく聞く「名前(車種名)」がずらりと並んでおりますが、皆さんの予想通りの順位だったでしょうか?ちなみに私の今の愛車は、ランキング外でした。。。

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ミニバンランキングで10位の「三菱・デリカD5」を、乗用車ランキングで見ると、37位でした。そして1つ上の順位の36位だったのが、「マツダ・CX-8」で、もう少し上の31位に入ったのが、「トヨタ・ランドクルーザー」です。

じつは、こちらの2台は「ヒンジ式ドアの3列シート車」なので、ミニバンランキングに入れようか、悩みました。しかし、どちらのメーカーも「SUV」に分類しており、マツダ・CX-8はホームページにて「ミニバンとは違う、3列シートの新しい選択肢。」と、はっきりと「ミニバンとは違う」とアピールされておりました。また、トヨタ・ランドクルーザーも、世界的に人気のオフロード車であり、ミニバンとは全く違うコンセプトのため、こちらの2台を入れずにミニバンランキングを集計致しました。

今回の集計を通じて、改めて「ヒンジ式ドアの3列シート車=ミニバン」と考えればよい時代は終わったんだなと痛感しました。とは言え、ヒンジ式ドアの3列シート車の魅力が減った訳では無く、むしろ向上していることも感じられました。今後も、CX-8の様に「新しい選択肢」がどんどん増えると、車好きにはうれしいですね。

4、売れているミニバンの分析

それでは、ちょっと詳しくランキングを分析していきましょう。

種類ごとに見て頂くと、10台中の実に6台がMクラスであり、SSクラス・LLクラスがそれぞれ2台となりました。各クラス毎に販売台数を集計してみますと、Mクラス:348,902台・SSクラス:196,476台・LLクラス:105,354台となり、「Mクラス」に人気が集中していることが分かります。

次にメーカー別に見てみますと、10台中6台がトヨタであり、ホンダが2台日産が1台、10位に三菱も1台ランクインしております。やはりミニバンでもトヨタ車が多いことが分かります。こちらは、グラフの方が分かり易いと思いますので、下記のグラフをご覧ください。一目瞭然ですね。

※あくまでも、今回のTop10での割合です。

そしてさらに、トヨタ車に注目してみますと、Mクラスに3台・LLクラスに2台と、同一のクラスに複数の車種がランクインしています。こちら、ご存じのかたも多いと思いますが、いわゆる「兄弟車(姉妹車)」と言われているものになります。兄弟車とは、基本的な構造・性能は同一で、外観・内装の意匠に違いがあったり、一部装備を特別に付属したりして、差別化した車です。 なので、これらの車はそれぞれ違う名前がありますが、ほぼ一緒とも考えられます。

そこで、試しにそれぞれの販売台数を合計してみますと、
■トヨタ・Mクラス
ヴォクシー+ノア+エスクァィア=183,185台
■トヨタ・LLクラス
アルファード+ヴェルファイア=105,354台
となります。

この台数をランキングに当てはめてみると、 「ヴォクシー+ノア+エスクァィア 」が1位で、 「アルファード+ヴェルファイア 」が3位に相当する台数となり、SSクラスでトップの「シエンタ」と合わせると、1位~3位まで、表彰台独占ですね。う~ん。改めてトヨタの凄さを感じます。

5、まとめ

さて、今回はランキングを中心に 「売れているミニバン・販売台数の多いミニバン 」を見て頂きましたが、いかがだったでしょうか?

まとめますと、あくまでも販売台数で見るとですが、ミニバンの人気の種類はMクラスであり、次いでSSクラス・LLクラス。メーカー別では、トヨタがとにかく圧倒的です。そして、2番手のホンダ、3番手の日産も存在感があり、三菱も健闘していると言えます。

人気の車種は、トヨタ・シエンタ、日産・セレナ、トヨタ・ヴォクシー、ホンダ・フリード、トヨタ・アルファード、といったところが挙げられます。

冒頭で、「多くの人に選ばれている車には、非常に高い価値と魅力があると思います。」とお伝えしました。ランキングがすべてではありませんが、やはり上位の車は、ミニバンらしいコンセプトと、値段以上の価値が感じられやすい点が、魅力と思います。

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ところで、多く売れている車の「良さ」とは、なんでしょうか?色々あると思いますが、私(kuruma)的にはポイントが2点あります。

➀多く作られている為に、工業製品としての出来が向上して、不具合が減っていく。
➁多く販売されている為に、修理の際の部品などが手に入りやすい。

この2点が、売れていない車と比べると、売れている車の方が、絶対に有利な部分であり、「良さ」だと思います。どんなに魅力的な車でも、売れない車は、メーカーも作り続けることは出来ず、販売・修理の工場も、売れない車の部品より、売れている車の部品を多く確保するのは当然ですよね。

多く売れている車は、良い意味で大衆車(購入・維持がしやすい車)であることが、魅力です。とは言っても、「ミニバン」は中々にお高いですが。。。

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ここまでお読み頂いて、ありがとうございました。皆さんの愛車選びの参考に、少しでもなりましたら幸いです。

最後に、蛇足ではありますが、愛車選びの際は、ランキングはあくまでも参考に留めてくださいね。色々な車メーカーが、色々な魅力のある車を、色々な人向けに作っています。ランキングにとらわれずに、ご自分に合った最高の一台を見つけて頂きたいと思います。


kuruma

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