オリンピックは応援したいけどそれどころじゃないな


2020東京オリンピック。2021年7月23日に無事開催されれば50年後のクイズ番組にネタとして使われそうですが、今のところ開催されるか否かはハッキリしません。

いや、現段階(2021年4月28日現在)では開催が決まっているのですが「本当に開催できるのか?」「本当に開催するのか?」という疑問疑念を持っている人が多い。かく言う私もまさにその一人ですし、個人的な意見を言えば今年の開催には反対であります。

しかしオリンピックが嫌いなわけではなく、オリンピックはぜひ見たい(TVで)と思うし何よりもオリンピックを、オリンピック選手を応援したいという気持ちは大いにある。パラリンピックに関しても同様です。

だから本当は東京オリンピック・パラリンピックの開催に大賛成したい。賛成したいが日本における新型コロナウイルスの感染状況と世界のそれを考えるに今年は無理だろうと思ってしまう。

思ってしまうが、もし実際にオリンピックが開催されればTVで見るだろうし選手の応援もすることでしょう。

この気持ちを矛盾というのか二枚舌というべきかダブルスタンダードか。我ながらもやもやする。

そこでもやもやを吐き出してみることにしました。コロナ禍におけるオリンピックの開催は誰のためで、何のためなのか?また平和の祭典とは?

少し悲観的に聞こえてしまうかもしれません。

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■誰のため?

アスリートファーストなる言葉を聞きました。オリンピックでいうところのこの言葉は商業主義で考えるのではなく、選手に寄り添ったオリンピックを開催しようということでありましょう。納得できます。

しかしながらコロナ禍の今「選手が可哀想だから、選手の為にオリンピックを開催しよう」という考えは危険だと思います。明らかにオリンピックの開催が原因でコロナウイルスの感染拡大などの被害があった場合に、選手への心理的な負担は計り知れないものがあるのではないでしょうか?

また「子供たちの将来のためにオリンピックを開催してあげたい」というお気持ちは非常に尊いと思いますが、多くの子供向けの大会が中止や延期、さらには日々の部活やクラブ活動も満足に行えていない状況をどうにかする方が子供のためになるのではないでしょうか?少なくとも対面授業が普通に行えることを目指してあげたい。

もしかして、IOC(国際オリンピック委員会)のためなのでしょうか?これが一番納得出来る気がしますが、IOCの方々も感染の拡大はもちろん望んでいないことでありましょう。

ではわれわれ、いわゆる観衆のためなのでしょうか?それはそれはありがたいことですが、オリンピック・パラリンピックが原因で感染が日本に世界に広まってしまったら取り返しがつかないことになるのではないかと不安に駆られてしまいます。ですから、もし(そんなことはありえないのですが)私のためにオリンピックを開いて下さるのならば、今はお断りしたいのです。コロナ禍が収まった後ならば喜んでお願い出来るのですが。

コロナ禍におけるオリンピックは誰の為に開催されるのでしょうか?もやもやが消えません。

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■何のため?

下記の一文は東京都オリンピック・パラリンピック準備局のHPより引用させて頂きました。

オリンピックは4年に一度開催される世界的なスポーツの祭典です。スポーツを通した人間育成と世界平和を究極の目的とし、夏季大会と冬季大会を行っています。

https://www.2020games.metro.tokyo.lg.jp/taikaijyunbi/olympic/olympic/index.html


とても当たり前のことながらオリンピックは何よりも「世界的なスポーツの祭典」ですよね。「勝つことではなく、参加することに意義がある」とも言われるほどに参加することへの価値も高く、それでいながらというべきか、それだからこそというべきか、多くのスポーツにおける世界最高峰の舞台。

選手の皆さんは言葉で表せないほどの思いや、色々な人の期待を背負い練習に励み、ようやく辿り着いたオリンピック。最高のパフォーマンスを発揮したいのは当然でありましょう。

しかし残念ながらそれに水を差すのがコロナウイルス。感染防止の為の様々な措置により、思い通りの練習もままならず、国によっては参加を諦めざるをえない状況が今。

開催中も不安があります。感染予防を徹底することは選手のパフォーマンスを下げることにはつながらないのでしょうか?また選手のみならずコーチやスタッフ、運営側の方々やプレス関係者などなど、オリンピックに携わる全ての人に感染に配慮した行動が求められ、しかも常に感染の危険性がある環境下。

この様な状況で果たして真の世界一を決めることが出来るのでしょうか?いやそれよりも選手が悔いなくオリンピックに集中できるのでしょうか?

そして思いきり視点を変えて経済面から見てみると、開催中止は痛手であることは間違いありませんが、すでに海外からの観客の受け入れを見送ることが決まりました。いわゆるインバウンドによる恩恵は望めません。

果たしてこの状況で開催することが経済だけで見たときに、いわゆる損得だけで判断したときにどうなのでしょうか?コロナ禍でも開催することが得だとするならば、とてもわかりやすく納得出来ます。オリンピックは経済のため。

さらに、少し斜めな視点かと思いますが、東京オリンピックにおけるキャッチコピー的な数々の印象的な言葉から考えると「何のため?」が見えてくるかもしれません。

「おもてなし」「復興五輪」「コロナに打ち勝った証しの五輪」そしてスローガンである「感動で、私たちは一つに」

…すみません。逆に全く見えなくなりました。

東京に来ないで下さいと言われている日々では、「おもてなし」という言葉はむなしく聞こえ、復興は道半ば。コロナ禍の収束も見通せずにいるのに、私たちは一つになれるはずもありませんね。

コロナ禍におけるオリンピックは何のために開催されるのでしょうか?過去のオリンピックとは違う理由が必要に思えます。

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■平和の祭典

オリンピックは平和の祭典とも称されていますよね。素晴らしい理念です。

しかしながら現在のコロナ禍、パンデミックとも表現されるほどの世界的な感染拡大状況は果たして『平和』とよべる世界なのでしょうか?

残念ながら私にはそう思えません。

ですからコロナ禍におけるオリンピックのあり方は今までのオリンピックと変化せざるを得ないと思います。少なくとも現在は。

つまり本気で東京オリンピックを開催したいのであれば、今までのオリンピックになるべく近い形を理想とするのではなく、全く新しいコロナ禍での理想形を模索するべきでありましょう。

なぜオリンピック組織委員会や政府、東京都の準備局はオリンピック開催へ向けて本気で取り組まないのでしょうか?なぜもっと国民や世界に対して具体的にどのように実施したいのか説明がないのでしょうか?

今の日本で聖火リレーを行えば、高められるのは機運ではなく感染率です。機運の醸成を進めたいのであれば、日々の暮らしの安心を高めるしかないことが分からないのでしょうか?

だから今の私は今年の東京オリンピック開催に反対しています。

そもそも開催まで3か月を切っているのに、未だに政府と東京都が意思の疎通が出来ていないのではお話しになりません。無論これは冗談のたぐいであり、本当は密接に連携がとれていることでしょう。

ですから以上の私のもやもやを吹き飛ばしてくれるような、政府の東京都の組織委員会の素晴らしい政策や画期的なアイディアが出てきて、東京オリンピックが無事に開催できればそれは最高です。

最後に話の本筋とは少しズレた話で恐縮ですが、新型コロナウイルスに対して日本は素晴らしく健闘しているのではないでしょうか?

ワクチンの接種も進んでいないのに感染者を抑え、残念ながら亡くなられた方も多いのですが、それでもなんとか経済もまわし、残念ながら失業された方も多いのですが、何とか頑張っている。

しかしこれ以上感染拡大が進んでしまうと取り返しがつかないことになってしまう気がします。

医療従事者への負担。飲食店や観光業界、娯楽関連などなど多くの業種への影響。ひいては日本全体の景気のさらなる冷え込み。自殺者の増加。

もう余裕はこれっぽっちも残っていない。だからこそオリンピックもオリンピック単体で考えるのではなく、国としてどうあるべきかも踏まえた上で開催の可否を決めて頂きたいとおもいます。

残念ながら誰に決定権があるのかすら分かりませんが。

そしてこれは蛇足となりますが、ここまでお読み頂いたあなたは、きっと私と一緒のいわゆる庶民であらせられることとお察しします。われわれ庶民に大切なことは開催されてもされなくても、日々の暮らしを生き抜くことです。そしてなるべく楽しく暮らすことこそが肝要。

おもいっきり暗くなるような話をしてしまいましたが、それはそれこれはこれ。なるべく笑顔で生き抜きましょう!


kuruma

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