なぜ親である我々は正月太りをするのか?



誰しもなりがちな正月太り。その中でも親だからこその理由があるようにも感じています。また日本の暮らしだからこその部分もあるかもしれません。

そこで今回は46歳で3人の子供を持つ父親である私が、正月太りの理由を解明すべく自己分析しつつ、全力で太った言い訳を考えてみました。

言い訳をしてみても私の体重は1gも減りませんが、心は軽くなるかもしれません。もしよろしければご一緒に言い訳を考えてみましょう。

正月になぜか太ってしまったあなたに向けて、「太るのは当たり前のことだから気にすんなよ!」というお話し。二部構成で一気にお伝えします。

目次

1、太るとはどういうことかの確認
2、食べ過ぎる要因

1、太るとはどういうことかの確認

まずは言葉の意味から再確認をしてみる。広辞苑(第六版)にて、ふとる【太る・肥る】を調べてみた。意味は2種類である。

(1)肉が肥えて厚みをます。

(2)財産がふえる。豊かになる。

(2)の方であればどれほど嬉しいか分からないが、もちろん(1)の意味である。

「肉が肥えて厚みをます」さすがは広辞苑であり過不足の無い説明。もう少し掘り下げてみると、一般的に『体重の増加=太る』と認識しがちであるがこれは違っており、体重が増加しても筋肉量が増加して脂肪が減っていれば太ったとの表現は不適切である。

つまり直接的な表現をするならば、脂肪の増加と筋肉の緩みが認められた状態こそが太った・太るということだと言える。そして太るための主要因は二つ。

そう、『食べ過ぎ』と『運動不足』である。

私が尊敬するTestosteroneさんの名著『筋トレビジネスエリートがやっている最強の食べ方』のChapter1 Lesson1には以下のような原則が書かれているので引用させて頂く。

「摂取カロリー<消費カロリー」であれば痩せ、
「摂取カロリー>消費カロリー」であれば太り、
「摂取カロリー=消費カロリー」であれば維持。

Testosterone (著) 『筋トレビジネスエリートがやっている最強の食べ方』より



これがゆらぐことのない原理原則。

つまり食べ過ぎれば食べ過ぎるほど、運動が不足すればするほど、太ることになる。

そして食べ過ぎと運動不足のどちらか一方でも太ることは可能であるが、両方を同時に行うことでより効率よく太ることが可能である事実に異論がある人はおりますまい。

それでは太ることの意味が明確になったところでそれぞれの要因を解析していく。つもりでいたが運動不足に関しては昨今のコロナウィルスの影響もあり、正月ならではの不足を語るのが難しい為、『冬は寒く外での運動が難しいから』というありきたりな理由でご容赦頂きたい。

その代わりと言ってはであるが、食べ過ぎについて次章で思いっきり語る。そして先にここで結論を述べておく。

なぜ親である私達は正月太りをするのか?

その答えは、寒い冬の運動不足に加えて食べ過ぎるからである。

ではなぜ食べ過ぎてしまうのか。その答えは次章を読めば納得して貰えることと思う。

2、食べ過ぎる要因

さて本題の前にすこし再確認。今回のテーマは正月太りだが、正月三が日だけではなくその前にある年末とクリスマス。さらに言えば冬に入ってからの食生活も影響を及ぼしているものとして扱わせて頂く。前提条件としてご了承頂きたい。

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それではまずは季節にまつわる話から始めていこう。

日本には美しい四季がある。そしてそこには恐ろしいことに正月に向けての食べ過ぎる要因が隠れていると考えられる。つまり秋は食欲の秋と呼ばれる程、夏が終わり食欲も全開になりがちで食べ物も美味しくなる季節。よって秋から冬に変わる頃には美味しいものをたくさん食べる下地が完成している。

この状態で冬を迎えるのだが、秋と冬の料理の違いとは何であろうか?

もちろん食材の旬による違いがあるのだが、それよりも大きな差が寒さによるもの。これにより調理方法が変わることが食べ過ぎに大きく影響してくる。冬に好まれる料理は温かいものである。例えばじっくりコトコト煮込んだシチュー。あつあつのおでん。そして何より冬といえば?そう家族皆で囲む鍋が一番であろう。

食べ過ぎの観点からみると、これらの煮込み料理に共通するのは美味しさはもちろんであるが、それ以上に『おかわり』のしやすさが問題である。例えば秋の秋刀魚であれば1人に1尾までが基本であり、おかわりなどそうそうあるものでは無い。

それと比べてシチューはどうか?もうおかわり、ありきのような料理ではないか。おでんなどはおかわりどころか満腹になるまで食べ続けることが可能であり、鍋もそう。しかも鍋に至ってはご飯を食べながら食することが可能であるのに、〆の雑炊やラーメンといったものまで楽しめてしまう。

これが秋から冬にかけての季節の移り変わりによる影響である。そしてさらに恐ろしいのがこれは序章に過ぎないことだ。そうこれからが本番。12月にはクリスマスがあるのだ。言わずと知れた美味しいものを食べる日。ここから加速が始まるのだ。

クリスマスといえばチキンやターキーが一般的だが、どの様な料理を用意するかに違いはあれど、各家庭での事情に合わせて美味しいものが並ぶ食卓であろう。食べ過ぎない理由を見つけるのが難しい程である。そして見逃せないポイントが夜型への移行。クリスマスのケーキを夜に食べる楽しみは格別であろう。

こうして夜型をキープしつつ迎える年末の休暇。ここからが正月太りの本番である。

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仕事や家事や育児に疲れ果てて辿り着いた年末休暇。たまにはゆっくり寝たとてだれに咎められると言うのか。止める人などいないであろう。しかしこれも落とし穴。そう食事の時間が狂うのだ。これにより朝ごはんと昼ごはんが一緒になってしまう、いわゆるブランチとなる。そして1日に2食となるのだ。

さてここで簡単なクイズを出そう。日本の伝統的な職業のなかで太ることが良しとされるのは?



そうお相撲さんである。

彼らは太って身体を大きくするのも仕事のうちである。ではもう1問。お相撲さんは1日に何食の食生活か?



答えは2食。

そしてその2食を空腹時にドカ食いすることであの大きな体を作っていくのである。2食は太りたい人のためには最適な食事回数と言える可能性が高い。

そんな生活のまま迎える大晦日。あなたのご家庭ではどんな料理を用意するであろうか?多くのご家庭では年越し蕎麦を召し上がると思うが、お寿司やすき焼き、はたまた年取りの魚など地域・出身地による違いも多い。

例えば私の妻の実家では天ぷら蕎麦をメインに焼き鳥やお寿司を食べる。そして夜が更けてからお汁粉を頂く。

対して私の実家ではすき焼きや年取りの魚などをメインとした食事である。そしてやはり夜が更けてからとなるがお蕎麦を頂く。

そんな二人が結婚するとそれぞれの実家の風習に基づき献立を相談する訳だが、いずれにしても食べ過ぎること請け合いの、夜食付きご馳走メニューは確定であろう。

そして新年を迎える…前に、少しだけ時を戻る。具体的にはクリスマス後の26日~31日のお昼までの期間であるが、ご馳走メニューの間に挟まれたこの数日。どうしても多くなりがちなのがカップラーメンやレトルト食品、コンビニ飯など、いかにも太りそうな品々ではなかろうか?

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そして迎える正月元旦。お雑煮とおせちを食べるわけだが、お雑煮こそ各郷土の特色が色濃く出るメニューかもしれない。雑煮に白味噌を入れることに驚く人もいれば、焼いた海老や魚が入ることに驚く人もおり、小豆が入ると聞けばそれはお汁粉であろうと突っ込む人も多いであろう。

ただどんな地域・ご家庭であれ一つ傾向として挙げられるのが、普段の食事と比較して好きなものを多く食べることを良しとすることではなかろうか?

ここではあえてメニューを挙げないがおせち料理は、定番メニューをそろえるだけでもかなりの品数になる。さらに和食にこだわらず洋食・中華のおせちも良しとするならばその品数は膨大。そしてそのすべてを完食することは難しいのは自明の理。

だからと言って食べ物を残してよい理由は無く、食べきるための対策が講じられることになる。おそらく主な対策は次の3つであろう。

1つ目は適切な量を用意することである。これが可能であれば最高の対策で、食べ過ぎる心配は微塵もない。しかしこれは至難の業だ。ハレの日であるお正月に料理が足りないようなことは避けたいのが用意する側のおもてなしの心意気。どちらかと言えば多めに用意することに異論がある人は少ないであろう。

2つ目は好きなものだけを用意すること。つまりこの対策は不人気なメニューを無くすことにより、食品ロスを少なくするという、食品を残さないことに対してとても有効な策である。しかし実はリスクもある。あなたならば自分の好きなものと嫌いなもの、どちらを多く食べたい(食べられる)であろうか?そうこの対策は食べ過ぎに関しては逆効果な可能性が高くなってしまう難点があるのだ。

3つ目は頑張って食べきること。これは対策とは呼べないと怒られそうだが、少食な子供の学校給食での対策を考えて頂ければ、究極的にはここに落ち着くのが日本人ではないだろうか?そしてこの頑張りを無意識に増長させていまうのが「もしかしておせち買い過ぎたかもしれない」という自分を責める心の声。人は誰しも失敗などしたくないわけで、おせちが完食されれば買いすぎも失敗とは見做されない。そうなのだ自分がおせちの購入に携わっている人であればあるほど、完食に対する責任感のようなものがあり、対策としての頑張りと無意識の頑張りが混然一体となり、食べ過ぎを助長させつつ食品ロスを防いでいるのだ。

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これで終わりではない。正月三が日の食事をお雑煮とおせちだけで済ませられれば、どれほど食事の準備が楽かしれないが、それは現代の日本においては不可能であろう。ここから食べ過ぎのトドメが始まる。

どんなに美味しいものでも味が均一であればあるほど、人は飽きてしまうのである。違う味覚を楽しみたくなる欲求を抑えるのは至難の業。そしてお正月においては、この欲求を抑える必要性も無いように思える。

そうして選ばれがちにして喜ばれそうなメニューを、ここは私の独断と偏見で挙げさせて頂くと、ラーメン・カレーライス・ピザではなかろうか?特に子供たちには高評を得そうなメニューにしてお雑煮・おせちとの味の違いも楽しめる魅力がまぶしい。

そしてそのまぶしさに目が眩んでしまうと見逃しがちなのが、やはり食べ過ぎについて。もうクドクド言わずにおくが、そういうことなのである。

こうして正月が終わり、仕事始めを迎えて日常に戻ってゆくのが日本の暮らし。

そして日本にはお正月明けに胃にやさしい風習があるのは、この文章を読んで下さっているあなたならばきっとご存じのことと思う。人日の節句である1月7日の朝に食す『七草粥』である。

正月のご馳走で弱った胃を休めるためとも言われるこの風習に、優しさしか感じないのであれば、あなたは騙されているかもしれない。

まだ終わっていなかったのだ。お粥は確かに胃にやさしい。しかしそれは食べやすいとも言えてしまう。そしてこれは各ご家庭で大きな差があるかもしれないが、七草粥は子供に不評なことが多い懸念がある。するとどういう現象が起こるのか?

おせちの件を思い出して頂きたい。そう例の対策の3つ目である『頑張って食べる』が復活してしまう危険性をはらんでいるのである。この心配が私の杞憂であることを切に願いながら食べ過ぎ要因の話を終わろうと思う。

最後に、これは本当に蛇足であるが、今まで書いてきた内容にはクリスマスケーキ以外の甘いものの話はあえて登場させなかった。そしてもう一つ。お酒とつまみについても口を閉ざす形となってしまったことは、謹んでお詫び申し上げたい。

これは言い訳ではなく、個人の味覚の嗜好とアルコールに対する体質(摂取が可能かどうか)を一般化するのが極めて難しいと判断したから…では無くて、普通の食事に関することだけを挙げてきたにも関わらず、『そりゃあ太るだろう』という自分へのツッコミに耐えられなくなった次第である。

私は甘いものもお酒も大好きであるということをここに断言して、今度こそ筆を置こう。ここまでお読み頂いたあなたには本当に感謝しかない。ありがとうございました。もしあなたの体重が11月頃のものと比較して増えているならば、我々は仲間である。そしておそらく私よりもあなたの方が増えていないから、あんま気にすんなよ!


kuruma

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