家に欲しい絵本⑧ ~ちゅ・りんごがひとつ~

kurumaがお届けします、「家に欲しい絵本」企画の第8回目は「ふくだ すぐる」さんの絵本を2冊、ご紹介させて頂きます。

★ちゅ
発行所:「岩崎書店」

★りんごがひとつ
発行所:「岩崎書店」


以上の2冊です。

ストーリー

★ちゅ

「たいせつな あなたに……」
という書き出しから始まる絵本です。

ねずみさんが何かと出合いました。かめさんでした。かめさんと「ちゅ」。

ねずみさんが穴の前にいました。すると左右から、もぐらさんが出てきて「ちゅ」「ちゅ」。

次は誰でしょうか?この後ろ姿は。。。

つぎつぎに、いろいろな動物たちと、いろいろな「ちゅ」。そして最後には???

◇◇◇ ◇◇◇ ◇◇◇ ◇◇◇ ◇◇◇

★りんごがひとつ

「りんごが ひとつ おちていた。
 みんな おなかを すかしているよ。」

りんごのまわりに動物たちが集まっています。みんながりんごをじーっと見つめているなかで、おさるが、
「えい!」
と、りんごをとりました。さあ、大変です。みんな大慌て。

おさるは逃げます!みんなは追いかけます!!

おさるはどんどん逃げますが、みんなも逃がしてなるものかと、さらに追いかけます!!!

さあ、果たしておさるが逃げ切るのか?みんながおさるを捕まえるのか??りんごは誰の手に!?そして、みんなの気持ちは???

見どころ・読みどころ

★ちゅ

初版は「1994年10月31日」の発行になります。

岩崎書店の「ヤング・アダルト文庫」の「ほっとたいむ 1」として出版されました。「ほっとたいむ」という言葉の意味が分からず、調べたところ、自動車メーカーの「トヨタ」で使っている言葉で「小休憩」という意味。英語で Have a hot time と言うと、「楽しい時間を過ごす」となる様です。

カバーの内側(そで)には、
「ちょっと お茶でも、なんてときに
ぴったりな ほっとたいむ……
ただ、たのしめれば それで
じゅうぶんなんです。」
と書かれております。

そう、この絵本は、どちらかと言うと、大人向けに描かれた絵本だと思われます。しかし、非常にシンプルな描き方をされており、テーマもずばり「ちゅ」なので、お子様と楽しむのにも良いと思います。

そして何より、表紙のねずみさんの顔をもう一度、しっかりと見直して下さい。。。可愛くないですか?可愛いと思って頂けたら、おすすめです(笑)。

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★りんごがひとつ

初版は「1996年5月2日」の発行になり、こちらは、しっかりとお子様向けの絵本と言えます。

動物たちの喜怒哀楽の表情・しぐさの表現がとても分りやすく、絵を見た瞬間、文を読んだ瞬間に、感情がタイムラグ無しに伝わってくる感覚があります。この為、ページをめくり、シーンが変わると動物たちの感情も変化していくのが、はっきりと楽しめます。

しかもお話しの内容と、はっきりと感情が切り替わる表現が、ぴったりとハマっており、お子様はもちろん、親も純粋に楽しみやすい絵本であります。

特に絵本の中盤から終盤にかけての、おさると動物たちのやりとりは、私が今まで読んできた絵本の中でも、トップクラスの名場面の一つです。(読んだ人の感想を聞いてみたい。。。)

まずは、読み聞かせにおすすめな絵本であります。そして、読み聞かせが終わってからも、子供も大人も、たまにフッと手に取って読みたくなり、読んで満足できる。そんな、魅力がある一冊です。

作者について

「ふくだすぐる」さんは、1961年生まれの絵本作家であり、イラストレーターであり、漫画家。もともとは、漫画家として、創作活動への道に入られたそうです。

以前にインタビュー(ミーテカフェインタビュー mi-te.kumon.ne.jp)の中で
「私の絵本づくりは、できるだけ何も考えないようにして、感じる通りにペンを走らせますから、~以下略~」
と、おっしゃっていました。かなり、感覚派の描き方をされる作家さんであります。

また、「ちゅ」がそうである様に、大人に向けての絵本なのかな?と、いう絵本が多いのも特徴で、その中でも「ただのおじさん」は、「ただのおじさん2」も出るほど、人気がありました。ですから、私と同世代のパパさん・ママさんの中には、「あ~、知ってる!」「持ってたよ!!」というかたもいらっしゃることでしょう。

ちなみに「ちゅ」と「ただのおじさん」は、恥ずかしながら、私がまだ若かりし頃(結婚する前)に、妻にプレゼントした絵本でして、おそらく我が家にある絵本達の中で、最古参の絵本です。このために、作者のふくだすぐるさんには、思い入れがありますが、そんな思い入れを差し引いても、おすすめしたい、絵本作家の一人です。

そして、ふくださんの絵本には、子供だけでなく、おそらく、大人も楽しんで欲しいという思いが込められているのではないでしょうか?子供の読み聞かせ専用の絵本ではなく、大人のティータイムのおともにも、おすすめしたい絵本達であり、作家さんであります。

まとめ

「家に欲しい絵本」企画の第8回目は「ふくだ すぐる」さんの絵本を2冊(3冊?)、ご紹介させて頂きました。いかがだったでしょうか?

「ちゅ」「ただのおじさん」は、もしかしたらもう手に入れることが、難しくなりつつあるかもしれません。気になる方は、お早めに調べてみることをおすすめ致します。

「りんごがひとつ」
は、うちの長女(小6)+末っ子(小3・男子)コンビの一押しの絵本でもあります。私のブログでご紹介している絵本に、この一冊が入っていないことが、納得いかない様子でした。。。(イヤ、言われなくてもちゃんと紹介するし!順番が遅くなってしまったダケだし!!)

それでは最後に、この2冊共通の魅力をもう一つだけ、、、

ねずみさんの、しっぽが長くて、かわいいですよ。


ここまでお読み頂きありがとうございました。皆さんの絵本選びの参考になりましたら幸いです。

さて次回は、海外の絵本作家さんの作品を、ご紹介してみたいと思います。
以上、kurumaがお伝えしました。




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