犬が好きだけど苦手な人の気持ち



犬が好きだけど、苦手。

矛盾しているようですが、私のことです。そして意外と同じように、感じている人はいらっしゃると思います。

(私の自己紹介はこちらをご覧ください)

つまり、現実の犬は怖くて苦手だとしても、本の中に出てくる犬や、テレビや映画、動画などで見る犬は可愛かったり、カッコよかったりして憧れを持つ人は多く、飼う飼わないを別として『犬』という存在が嫌いだという人は少ないと思うのです。

今回の記事は私の体験談。犬に興味があって、飼いたいと思っていたのに、ある出来事で犬が怖くなってしまった話です。犬が苦手になった理由を綴ってみました。そして、それでも好きな理由も。

また蛇足として、そんな犬が怖い40代パパが娘からもし、「犬が飼いたい!」と言われたらどうするか考えてみました。

犬が大好きなあなたには、犬が苦手な人の気持ちを少し理解して頂けるように。

犬が苦手なあなたには、犬にちょっとだけ親しみを感じて頂けるように。

そんな想いで記事を書いてみました。それでは、しばしお付き合いを。

目次

1、犬に興味あり
2、犬が怖くなった
3、犬がさらに怖くなった
4、犬がちょっと身近になった
5、まとめ
蛇足


1、犬に興味あり

さて、私は犬を全く飼ったことが無いわけではなく、小学校の低学年位の頃までは家に犬がいました。しかしその頃は犬に興味がなく、ほとんど世話をしたこともありませんでした。ただ、この頃からすでにちょっと犬は怖いものという意識がありました。

その後、なぜ犬に興味を持ち始めたのかは忘れてしまいましたが、小学校の6年生位に犬の図鑑を買ってもらい、色々な犬種を調べて、もしも飼うならどんな犬が良いのか考える様になります。

また当時、週刊少年ジャンプで『高橋よしひろ』さんの『銀牙 -流れ星 銀-』という犬が主人公のマンガが連載されており、大好きなマンガの一つでしたので、こちらの影響も大きかったと思います。

マンガの影響か元々の好みなのか、どちらかといえば、プードルやマルチーズといった可愛らしいタイプよりも、秋田犬やシェパードといったカッコいいタイプの方に惹かれていました。そして、せっかく飼うならば珍しい犬種の方が良いと考え、図鑑で調べまくる日々。

もちろん、予算の事など考えもしません(笑)。

飼う飼わない、飼えないは度外視して、純粋に飼ってみたいと思った犬種は、日本の犬ならば甲斐犬。海外の犬種ならばボルゾイ。そして一番ひかれたのが、シェットランド・シープドッグ。

シェットランド・シープドッグは、コリーをそのまま一回り小さくした様な見た目で、スコットランドのシェトランド諸島の生まれ。長くて配色も美しい毛並みが特徴的で、非常に賢いと言われている犬種です。

今にして思えば、どの犬種も非常に入手が難しい上に世話も大変であり、犬に少し興味がある程度の小学生が飼える種類の犬ではないのですが、想像して楽しむ分には自由ですよね。

犬のことを調べれば調べるほど興味が高まり、実際に犬と触れ合う機会はないままでしたが、いつかは『自分の好きな犬を飼ってみたい』という憧れを抱くようになりました。

2、犬が怖くなった

そんな本の中だけとはいえ、犬が好き・興味がある私が、犬を怖いと決定的に思う様になったのは中学生のころ。

年末年始に郵便局でアルバイトをしたことがきっかけです。主に年賀状を配るバイトですが、私が担当していた地区にもやはり犬を飼っている家が何件かありました。

その中に、セント・バーナードとスピッツ(雑種かも)の2匹の犬を飼っているお宅がありました。

ちなみにセント・バーナードは『アルプスの少女ハイジ』に出てくる様な、スイスの山岳救助犬(首に樽を付けている)のイメージ通りで、非常に体が大きいのですが、性格はおとなしそうなタイプ。対してスピッツはどちらかというと元気なよく吠えるタイプで、白い小型犬になります。

もうこの時点で悪い予感しかしないと思いますが、さらに悪いことに、この2匹を繋いでいる鎖が非常に長く、広範囲を移動できる様にしてあり、そのお宅のポスト(玄関)にたどり着くにはその範囲を通過しなくてはなりません。

初日は何とか大丈夫でした。

2日目。うっすらと雪が積もっていました。

私がポストに近づこうとすると、小さなスピッツの方がキャンキャンと騒いでしまいました。が、大きなセント・バーナードの方はやはり大人しい様子で寝そべったまま。なんとかポストへ郵便物をいれて帰ろうとすると、さらにキャンキャンが酷くなり、いままで大人しく寝そべっていた大きなセント・バーナードも起きだします。

あきらかに小さなスピッツの興奮が、大きなセント・バーナードに伝わってしまい危険な雰囲気です。

私は走って逃げだしました。

しかし途中でセント・バーナードにのしかかられて、雪で滑って転倒。

雪のせいで滑った訳ですが、滑ったおかげで犬たちの行動範囲外まで逃げ出すことが出来ました。

細かなことは覚えていませんが、のしかかられた時の圧倒的な力強さと重量感は、今でも感触が残っているほどであります。

翌日からはそのお宅のポストではなく、裏口へ郵便物を届けることになりました。

これがはっきりと、犬が怖くなったきっかけであります。


3、犬がさらに怖くなった

さて、そんな経験をした私ですが、本の中での犬への憧れや興味は薄れることはなく、ただし実際の犬には警戒して暮らすようになりました。

月日は流れて高校生の頃。

どんな理由か忘れてしまいましたが、母の知人の犬を散歩させるという出来事が起こります。

その犬は柴犬(雑種だったかも)で、今から考えると非常によく躾けられており、賢い犬でした。

内心で思いっきりビビりながら鎖を手に持ち、自宅の周辺を連れて歩き始めましたが、すぐに柴犬の方が先に行きたがり早足に。予想と見た目よりも力強く鎖を引っ張る犬の力に驚きながらも、自分に対して全く敵意を向けてこないことがうれしくなりました。

ちょっと調子に乗って気の緩んだ散歩の後半。ほとんど走る様なスピードとなってしまい、私は鎖を離してしまいます。すぐに掴み直そうとしましたが、ダメ。全く追いつくことも出来ずに、走り去る柴犬をそれでもその走っていく後を追いかけていくと、何とちゃんと私の家の前で待っていてくれました。

まあ、私の家の前というよりも、飼い主がいた場所に戻ったのだと思いますが、感心しきりでした。

それからさらに数か月後のある日。

父と叔父の家に行く用事があり、出かけました。叔父も犬(こちらは雑種)を飼っており、私たちが到着すると、うれしそうに尻尾を振りまくっていました。しかし残念ながら叔父が留守をしており、しばらく待つことに。

何もすることが無かった私は不意に、尻尾を振りまくってうれしそうな様子の犬に近づいてみました。相変わらず嬉しそう。そこで、頭をなでてあげようと手をだします。

その瞬間に、噛みつかれました。

咄嗟に犬の口から手を引き抜きましたが、血がダラダラと垂れています。噛みつかれたショックと痛みで何が何だか分からなくなりましたが、犬をみると先ほどまでうれしそうに尻尾を振っていたのに、今は唸り声を上げて、尻尾は体の内側に向いて丸まった様になっていました。

その後、病院へ向かい治療。何針かは忘れてしまいましたが、縫ってもらいました。麻酔が一番痛かったのを覚えております。

この事があってから、流石にもう犬が嫌いになるかと思いましたが、意外とそうは思わずにいたのが、我ながら少し不思議な感覚でした。

ただ、犬を飼いたいとも思えなくなり、犬の気持ちが私には分からないということが理解できました。

また、それまで以上に犬に対して警戒して暮らすようになり、手を出したり触ったりすることはもちろん、極力近づかないことを心がける様になりました。

4、犬がちょっと身近になった

犬に噛まれてからというもの、どうやら生き物全般に対して苦手意識が強くなり、『触る』という行為が出来なくなりました。単純に、自分から手を出して痛い目に会うことが怖くなったんだと思います。

そんな私の転機になったのが、22歳くらいの頃。当時の彼女の家に遊びに行った時。彼女は猫を飼っていたのですが、この猫がなかなかに人見知りと聞いておりました。その猫が、初対面の私から逃げずにいてくれて、ほんの少しですが、撫でさせてくれたのです。

うれしかったですね。

それからさらに時間がたち、結婚して子供も出来てからのことですが、義弟夫婦が犬を飼い始めました。犬種はチワワ。世界的に見て最も小さい犬種であり、毛足が長いタイプと短いタイプがおり、毛色の種類が多いのも特徴。ちなみに義弟夫婦のチワワは、短毛の黒色(ブラックタン)のメス。

さて困りました。どんなに小さくとも犬は犬。私は犬が怖いのです。

妻の実家には年に数回いくだけでしたが、チワワは室内犬。しかも私が犬が怖いので、子供達も自然と犬が苦手です。最初の頃は大騒ぎ。

ですが、義弟が子供達に「大丈夫、噛まないから」「それに噛まれても痛くないよ」と教えてくれました。

そこで、おそるおそるですが、私も触らせてもらい、抱かせてもらい。。。

始めて犬が怖くないと感じられた瞬間を味わうことが出来ました。

それから数年が経ち、私も子供たちも妻の実家での犬(チワワ)との触れ合いの時間が楽しくなってきました。

そして、衝撃的だったこと。

ある日、お昼の時間が近づいたころです。義母が「そろそろエサの時間じゃない?」と声をかけると、間髪入れずに義妹が「ゴ・ハ・ン・!」

『エサ』ではなく『ゴハン』だと。

この一言で、色々なことが腑に落ちた気がしました。

『犬』は大切にしている人にとっては、家族なのですね。家族同然ではなく、家族。

この時から、私の中で価値観が逆転しました。そう、本の中での『犬』への興味が薄れて、妻の実家で一緒に過ごす実際の犬である、『彼女』(チワワ)への興味が大きくなっていったのです。

犬がちょっと身近になった瞬間だったと思います。

5、まとめ

『犬が好きだけど苦手な人の気持ち』と題して、私の犬に対する体験談と気持ちの変化を語らせて頂きました。

私の場合は、世界で最も大きな犬種であるセント・バーナードと、世界で最も小さな犬種であるチワワがターニングポイントという極端な経験でしたが、犬が大好きなあなたにも、苦手なあなたにも、そう感じてしまう何らかのきっかけがあるのではないでしょうか?

ちなみに私は相変わらず、今のところは『犬が好きだけど苦手』なままです。しかし以前と違うのは、自分にとって特別な『彼女』が出来たこと。そして、このままでも良いかなと思っております。私は全ての犬と仲良くすることは残念ながら出来ません。でも、もしかしたら自分にとって特別な『彼女』『彼』は増えていくかも!?

さてそんな私からすると、獣医さんやトリマー、ペットショップなどでありとあらゆる犬と仲良くコミニュケーションをとることが出来る人たちは、もはや偉人ですね。本気で畏敬の念を抱いております。そして、犬を飼うようなことが起きたならば、近くに偉人がいてくれると心強いだろうなぁと、妄想を働かせております。

別に犬を飼う予定も無いのに、可笑しいですよね?

まさに矛盾(笑)。

それでは、ここまでお読み頂き、ありがとうございました。

犬が大好きなあなたには、犬が苦手な人の気持ちを少し知って頂けて、犬が苦手なあなたには、犬にちょっとだけ親しみを持って頂けましたら幸いです。

以上、kurumaがお伝えしました。

蛇足

さて、そんな矛盾だらけの40代パパ(私)が娘からもし、「犬が飼いたい!」と言われたら…

まずはしっかりと妻と相談をして了解が得られた後に(妻との相談は超重要!)、娘に話したいことがあります。

『犬に対する責任』と、『周囲に対する責任』についてです。

犬を飼ったことのない私が言うのもなんですが、犬を飼う以上は責任があると思うのです。

犬に対しては、お世話としつけ。そして何より、最後まで責任を持って看取るところまで出来る覚悟が必要と思います。

日本ではお葬式の話を嫌いますが、犬の寿命は残念ながら人間よりも短い。そこまで話した上で、楽しく犬と向き合ってくれたらうれしいかな。

また、周囲に対する責任は、しつけの部分と大きくかかわってくると思いますが、犬が苦手・嫌いな人に対する配慮も大いに考えて欲しい。

散歩などの外出時のマナーはもちろんのこと、室外犬であれば来客時に迷惑にならない配慮。(特に郵便屋さんに対して!)

また、室内犬であっても、来客時にお客様が困らない様なゲージや配慮が出来るように、よくよく考えて貰いたいと思う。

もちろん、全部自分で考えてやりなさいと言うつもりはなく、相談しつつ協力出来ればと思いますが、責任感と覚悟は持って頂きたい。

そして何より、犬を飼いたいという熱意を持って、パパを説得してくれると嬉しいな。

そうすれば、娘がねだるから仕方なく犬を飼うというポーズがとれつつ、私の憧れである『自分の好きな犬を飼ってみたい』が叶ってしまうかもしれないから。

さてさて、今後、どうなることか楽しみにしております。


kuruma

フォローよろしくお願いします!