子供がご飯を食べない ~少食にして偏食かつ背の順で前から2番目が指定席だった娘の事例②『偏食編』~



「ご飯を食べる量が少ない」「すぐに残す」「好き嫌いが激しい」、、、我が家にはこんな子供が3人います。いや、長男はかなり改善されてきましたので、あと2人。。。

あなたのお子さまも、一緒でしょうか?

子供がご飯をあまり食べてくれないと「ご飯の作り方が悪いのかな?」「もっと違うメニューを試すべき?」「なにかの病気じゃないよね?」と、不安になってしまう事もあると思います。

前回の記事では、少食・偏食でお悩み中のあなたに向け、その対策として「少食」の改善例をお伝えしました。

※まだお読みでないかたはコチラを先にどうぞ。

今回は「偏食」のお話しとなります。

ただし前回同様、ありのままの話ですから、いわゆる筋書き通りの「親子で頑張って偏食が治りました!」という素敵な話ではなく、何とか「少~し改善できたぞ!」というお話。

そして今回は前半でちょっと堅苦しい、小難しいことも言っておりますが、一番伝えたいことはシンプルです。参考にして頂き、少しでもお悩みの解消に役立てば幸いです。

目次

1、栄養バランスについて
2、日本の「今」の食事レベルについて
3、おすすめの偏食対策(効果あり3選)
4、まとめ(一番伝えたいことは…)

蛇足

1、栄養バランスについて

子供の偏食の何が問題なのか?

私なりに親の立場として考えた結果、次の3点が大きな問題であると思います。

■栄養バランスのかたより
■給食が心配
■作ったものを食べてくれない


特に「栄養バランスのかたより」が一番大きな問題です。

そこで「バランスの良い食事とはどんな食事なのか?」を考え直してみたのですが、、、難しいですね(汗)

そしてきっと、難しいと感じるのは私だけではないハズ!あなたも仲間♥

という事で、栄養・食事のバランスについて、ちょっとボリュームが大きく大変ですが、一緒に少し勉強してみましょう!

(給食については次回の記事で詳しくお伝えします。そして「作ったものを食べてくれない」は、今回のまとめで、後ほど。)

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現在、日本で食事のバランスや献立について考える目安は、大きく分けると次の3つ。

■食品群で考える
■栄養素で考える
■和食として考える


これらは学校で教わったこともあるかもしれませんが、覚えていますか?

私はもちろん…忘れていました(汗)。

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まずは食品群からです

★三色食品群
赤・黄・緑の三色を使っての食品分類法で、小学校で教わると思います。

赤:体をつくるもとになる
(肉、魚、卵、牛乳・乳製品、豆など)
黄:エネルギ―のもとになる
(米、パン、めん類、いも類、油、砂糖など)
緑:体の調子を整えるもとになる
(野菜、果物、きのこ類など)

★六つの基礎食品群
三色食品群をさらに分けたもので、中学校で教わると思います。

1群 : 魚、肉、卵、大豆、大豆製品
2群 : 牛乳・乳製品、海藻、小魚
3群 :緑黄色野菜
4群 :淡色野菜、果物
5群 :穀類、いも類、砂糖類
6群 : 油脂、脂肪の多い食品


★4つの食品群(四群点数法)
少し分け方が変わり、点数によって栄養バランスやカロリー計算ができる。高校で教わると思います。

1群: 日本人に不足しがちな栄養を補い、栄養を完全にする食品群
(卵、牛乳・乳製品)
2群:筋肉や血液などを作る良質たんぱく質を多く含む食品群
(魚介、肉、豆・大豆製品)
3群:ビタミン、ミネラル、食物繊維などからだの調子をよくする栄養素が豊富な食品群
(野菜、きのこ、海藻、いも、果物)
4群:体温を保ち、からだを動かすエネルギー源となる栄養素が豊富な食品群
(米・めん・パンなどの穀類、油脂、砂糖、その他)


以上が食品群での分け方3種類です。特に「4つの食品群」で分け方が変わるのがややこしいですよね?

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続いて栄養素です。

★3大栄養素(マクロ栄養素)
ダイエット関連はこちらを重要視していますね。

1:炭水化物(糖質)
ブドウ糖に分解され、主にエネルギー源となる。
(コメ、めん類、イモ、果物、菓子類、砂糖などに多く含まれる)

2:脂質
脂肪酸に分解され、主にエネルギー源となる。
(油、バター、ラードなど、に多く含まれる)

3:たんぱく質
主に筋肉や臓器、血液をつくる材料になる。
(肉、魚、大豆、大豆製品、卵などに含まれています。)


★5大栄養素
3大栄養素にあと2つ、ビタミンとミネラルを加えた考え方。

4:ビタミン
体の機能を正常に維持するために不可欠な栄養素。食品から摂取しなくてはならない。

5:ミネラル
微量ながらも体の健康維持に欠かせない栄養素。骨・歯など体の構成成分になったり、からだの調子を整える働きがある。こちらも食事からとることが必須。


6大栄養素
5大栄養素にさらに食物繊維を加えた考え方。


★7大栄養素
6大栄養素にさらにフィトケミカル(ファイトケミカル)を加えた比較的新しい考え方。


以上が主要な栄養素の考え方です。6・7大栄養素には「」を加える考え方もあるようです。

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最後に和食的な考え方です。

★一汁三菜
和食の基本といわれがちな考え方。

主食(ご飯)にプラスして、一汁=汁物(みそ汁など)と三菜=3つの菜(おかず)を組み合わせる。

三菜は、主菜1品(魚や大豆などのたんぱく源のおかず)と副菜2品(煮物など野菜料理の副菜)。

※香の物(漬物)は副菜にカウントしない。


★一汁一菜
質素な食事(粗食)をさす言葉としても使われていた。

主食(ご飯)にプラスして、一汁=汁物一菜=1つの菜(おかず)を組み合わせる。

※香の物(漬物)は副菜にカウントしない。


★土井善晴さんの一汁一菜
料理研究家である土井善晴さんのご提案。

主食(ご飯)にプラスして、一汁=汁物だけ。

汁物はみそ汁を具だくさんにして、一菜も兼ねるようにする。

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いかがだったでしょうか?

要約(超訳)すると、

食材は食品群で見るとバランスの良さが分かりやすく、あとは栄養素を気にしてあげて、一汁三菜で献立を考えれば、栄養バランスのとれた日本の理想的な食事が出来る!


と、言えます。

なるほど!

ですが、、、簡単なことではありません(涙)。

もちろん、食に関するプロの方々や、意識の高いかたは当然のようにこれらが頭にはいっており、使いこなせているかもしれませんが、私にはムリです。

そもそも、私は果物とパクチーが苦手ですし、妻はお刺身がダメ。他にも夫婦で好き嫌いがあります。

そう、我が家では完全にバランスの良い食事を、毎食子供に食べさせることは諦めました。難易度が高すぎです。

でも、これらの知識を無視する必要もなく、使えるところだけ使えば良いと考えています。


さて、栄養バランスについて、ざっくり復習出来たところで、改めて感じるのが「レベル」の高さ(汗)。日本の食事レベルって高いと思いませんか?次はそんなお話しです。

2、日本の「今」の食事レベルについて

私は日本の食事レベルは非常に高いと思っております。

有名なハンス・ロリングさんの「FACTFULNES(ファクトフルネス)」(日経BPマーケティング)。

この本の中に出てくるバブルチャートでは、世界を4つの所得グループに分けています。日本は一番上のグループ。世界の人口約70億人に対して、そのグループは約10億人。(日本の人口は1億と少し。)

さらにそのグループの中でも、日本の健康面は特に優れていると評価されており、最上位の位置。世界の中で日本は健康のトップクラスなのです。

そして健康であるという事は、食事に対する意識も高いと考えられますよね。

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また日本は食に関する自由度が、非常に高いのではないでしょうか?

日本独自の和食はもとより、いわゆる洋食(欧米)や中華(中国)料理のみならず、色々な国の料理が食べられる国です。しかも家庭料理としてもかなり普及していますよね?

少し極端な例をあげますと、アメリカの子供で、みそ汁と納豆が好きという子は珍しいと思いますが、日本の子供で、カレーライス・ハンバーグ・ラーメンが好きな子は珍しくありません。

そう、私がお伝えしたいのは、日本の子供の偏食は、世界的にみれば、非常にバランスの良い食事の中での、レベルが高い偏食ではないか?ということです。

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さらに、「今」と「昔」を比べると、今の子供の方が昔の子供よりも、多くの食材を食べられることを要求されていると感じます。

例えば、昭和の頃。子供の嫌いな食べ物ワースト3は、

1位:セロリ
2位:レバー
3位:納豆


納得の順位とラインナップと感じます。

では今の子供の嫌いな食べ物は何だと思いますか?

答えはこちら、

1位:ゴーヤ
2位:セロリ
3位:ピーマン


です。

私はゴーヤの1位に非常に驚きました。沖縄のかたには怒られてしまうかもしれませんが、子供がゴーヤ・にがうりが食べられなくても何も問題ないと思うのです。むしろ、大人が楽しむ味の代表格と考えていました。

でも今の子供にとっては、食べることが当り前の食材になっているのです。

このこと一つとっても、「今」の日本における食生活のレベルの高さ、バランスの良さがうかがえます。

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日本の「今」の食事レベルについて、とりわけそのレベルの高さについてでした。いかがだったでしょうか?

レベル高いですよね。。。

偏食の我が子達にとっては、無理難題(笑)。

さて、日本のレベルの高さが分かったところでようやく本題!

それでは、具体的に子供たちの偏食をどうすれば良いのか?

我が家の結論は、出来ることからコツコツと。完全なバランスを目指すのではなく、少しでも、一品ずつでも食べられるものが増えればOK!と考えました。

前振りが長~くなってしまいましたが、次はおすすめの偏食対策です。

3、おすすめの偏食対策(効果あり3選)

(1)あきらめつつもあきらめない

いきなり根性論のような対策ですが、これが一番大切なことだと思います。

苦手なものは苦手であきらめつつも、新しい環境や食べ方で食べられる様になるタイミングがきっとあります。そのチャンスを逃さず、少しだけでも食べられたり、少しでも好きなものが増やせるようにトライを続けましょう。

親が嫌いで食べられないものでも、食べられる子供もいます。最初からあきらめずに試しましょう。例えばうちは妻・長男・娘は納豆がダメですが、末っ子だけは納豆好き。ものは試しといいますしね。

今、食べられないものでもいつの間にか食べられる様になるもの・こともあります。ちょいちょい作り続ける・食卓に出し続ける勇気と根性もおすすめです。例えば、すでに美味しく出来たカレーに、苦手なきのこを入れるのはリスクですが、勇気を持って入れれば食べてくれるかもしれません。しかし、全く食べずに全滅してしまう事もあるでしょう。それでもメゲナイ根性も必要です。。。コツコツ、コツコツ。


(2)新しい料理・食材にチャレンジする

一度嫌いになってしまった料理や食材を、もう一度好きになる確率は非常に低いと思います。娘の場合でいいますと、納豆がこれにあたります。

しかし、サラダでは嫌いなトマトもミートソースに使う分には大丈夫です。また、生の玉ねぎは絶対に食べませんし、火を通しても固めだとダメでしたが、しっかりと火を通せば大丈夫。モスバーガーのオニオンリングフライも今では大好きです。

また、意外な食材が、意外な料理方法で喜ばれる場合もあります。うちの子達の場合は「大葉(シソ)」を「天ぷら」にすると大喜び。天ぷらの時に大葉を忘れると大変です。ブーイングの嵐。もちろん他の料理方法や、生の状態では絶対に大葉は食べません。

日本は色々な国の料理や食材を手に入れることが出来ます。また、日本国内の郷土料理をみても非常に多種多様。新しい料理や食材には困らないと思います。ご自分の出来る範囲で、チャレンジすることをおすすめします。


(3)環境を変える・一緒に食べる人

環境が変わると嫌いなものでも食べられる場合があります。例えばアウトドアでのキャンプやバーベキュー。逆にインドアでのファミレスやちょっと雰囲気のあるレストランなど。残念ながらコロナの影響で難しくなってしまいましたが、お家のベランダや庭でも変化は十分。家の中でも普段は食事をしない部屋であれば変化が楽しめます。

そして、こちらもコロナの影響が恨めしいですが、普段は一緒に食べることが出来ない人で、子供が大好きな人との食事もチャンスです。うちの場合は叔父叔母や従妹がそうなのですが、親からの言葉とは違い、素直に聞くことが多い!

ですから、叔父さんが「これ美味しいから食べてごらん」と子供の嫌いなものを進めると…食べる場合「も」ありました(笑)。


4、まとめ(一番伝えたいことは…)

「子供がご飯を食べない」記事の第2弾。『偏食編』をお送りしましたが、いかがだったでしょうか?

最後に偏食の問題点の
作ったものを食べてくれない
について。

もしかしたら、料理をする親にとって一番キツイと感じることが、こちらかもしれません。せっかく大変な手間をかけて、子供のために一生懸命作ったのに食べて貰えない切なさ。そして、偏食を少なくしたい・治したいと考えているのに、改善されないもどかしさ。。。

わかります。

しかし、どうやら偏食の子供達は悪気は無いのです。ただ単に食べられない様です。

そして、真面目で一生懸命に料理をする人ほど、この事で悩んでしまうとお子様と衝突してしまい、自己嫌悪にかられたり、もう料理をすることが嫌になってしまう傾向があります。

ではどうすれば良いのか?

大切なのは2つ。

「がんばりすぎないこと」
「ゆるすこと」


今回、くどくどと小難しいことを言いましたが、とにかく日本の食事はバランスのレベルが高く、偏食の子供にとっては大変です。同時に、料理を作るあなたにも、もしかしたらもの凄いプレッシャーがあるかもしれませんね。

でも、苦しくなるほど、がんばる必要は無いと思います。食事は楽しい方が良い。ちょっと位、食べられないものが多くても、食事を楽しめていればいつか、好きになる日がくるかもしれません。長い目でみて「あきらめつつもあきらめない」!

がんばりすぎずに続けることが重要です。

そしてそれと同じ位に重要なのが、ゆるすこと。

どんな人でも間違いはありますが、それと同時に、自分は間違ってはいないと思っているものです。

食べない子供は自分なりに「食べられない」理由があります。

美味しくない・お腹がいっぱい・気分がのらない、などなど。

もちろん「しつけ」は大切ですし、子供を甘やかすばかりでは良くないとも思いますが、最後のギリギリの線で、私は親が「ゆるす」べきだと思います。

そしてまた、次の食事でがんばりすぎずにがんばる。この繰り返し。

大変だとは思いますが、子育てとはそんなものだと思うのです。そして、大変であればあるほど、子供に手をかければかけるほど、上手くいったりよろこんだりが、楽しくなるのだと思います。

そして私が一番伝えたいことは、もしあなたが、子供の偏食のことで悩んでおり、「自分が悪い」と思っているのならば、そんなことは無いと伝えたい。

そして、自分を「ゆるして欲しい」のです。


それでは、ここまでお読み頂きありがとうございました。

次回は「子供がご飯を食べない」の完結編。「給食について」をお届けいたします。給食は偏食の子の『敵』ではなく、『味方』であると思うのです。


以上、kurumaがお伝えしました。

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以下のリンク先は、「栄養バランスについて」の項目で、食品群・栄養素・和食の参考にさせて頂いたサイトになります。各位に感謝申し上げます。ありがとうございました。

農林水産省HP

https://www.maff.go.jp/j/syokuiku/zissen_navi/balance/guide.html

東京都福祉保健局HP

https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/kensui/ei_syo/katsuyou/balance.html

株式会社浅田飴HP

https://www.asadaame.co.jp/recipeclub/cooking/colmun003.html

タニタHP

https://www.tanita.co.jp/health/detail/24

KOKOCARA(生協パルシステム)HP

https://kokocara.pal-system.co.jp/2016/12/19/ichiju-issai-yoshiharu-doi/

蛇足

偏食の改善方法の一つに、「本当に美味しいものを食べさせる」という方法があります。

確かに最高の食材を使った最高級な料理は美味しそうですし、新鮮な食材や旬な食材は聞くだけでも美味しそうですよね?

しかし、嫌いな食べ物はどうやっても好きにはなれない。食べられないこともあると思うのです。

果物が苦手な私は、果物がとれる田舎の出身。旬の果物にも多々、恵まれていますが、食べるとノドがかゆくなるので、本当に食べたく無いのです。
(火を通したり、乾燥させたものはOKです。なぜかケーキもOK。)

刺身が苦手な妻の母の実家は漁師さん。ちいさな頃から新鮮な魚介類に恵まれていましたが、お刺身では美味しく食べられないのです。
(火を通せばもちろんOKです。)

ですから、私達夫婦が果物とお刺身を食べないのは、遠慮ではありませんので、どうぞお気遣いなく(笑)。

ちなみに、私はお刺身が大好きで、妻は果物が大好きです。

では、娘は?

果物が大好きで、お刺身も食べられます!

ヨカッタ~!


kuruma

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